2008-11-14から1日間の記事一覧

認識論的文体論

そのような記憶を忘れないのは石だけだろう。綴られた字を読むのは誰なのか。記憶を回想するのは誰なのか。 冒頭部。「綴られた字」は、後半「保持」されたあとの「。(句点)」が付された文章に対応しているとも読める。あるいはもっと個人的に読みを楽しんで…

「正読」の自由「誤読」の自由

おそらく、それが答えである。それがこの小説のひとつの答えだというのは多分それで正しい。正直な話、この読み方をしたのは僕ではなく僕の知り合いなので僕が先に思いついたわけではないので僕が先に読んでいればと思うと、答えを先にいわれてクヤシイ。う…

銃口はどこを向いているのか?

はじめは銃を構えた音かと思った。 兵士はそう返しただけで、やはり職員に関心が無いのか、目も合わせずに粛々と歩き続けた。職員は鎖を結んだりほどいたりした後に、囚人に話しかけた。 「この後に取り調べがあるけれど、今やってしまおうか」 兵士のほうか…