往復書簡(1) 筆者:幸田龍樹

 LOLのみなさまへ


 こちらこそ、こういう機会を設けて下さったことを本当にうれしく思っています。ぼくらの方も失礼な発言が多々あるかもしれませんが、そこらへんについては軽く受け流していただければ幸いです。


 それではぼくらの方も手短に自己紹介を。


 ぼくらM@D AGEは約半年前に結成したサークルで、先日の文学フリマの募集に運良く当選し、それで初めて自分たちの作品を公の場に発表することができた、というクチです。現在メンバーはその時にいた三人(ぼく、ミノさん、コウジさん)のみで、《八〇年代生まれ》を必須条件に、新しい仲間を探しているところです。ちなみに今のところ、メンバーはみな高卒です。


 さて、菊地さんからいただいた質問ですが、今回は代表のぼくの方で、すべて答えていきたいと思います。


 ひとつ目……好きな/影響を受けた作品は確かにたくさんありますが、どれも理想そのものというわけではありませんでしたし、そもそも理想というものは、得た様々な知識/情報を素に自分の手で作り出すものだと思います。


 ふたつ目……意義はあると思いますが、こだわりは特にこれといってありません。これから書かれるはずの作品には、引用や固有名詞がまったく用いられないことだって充分にありうるからです。ただ、『大都会交響楽』に関していうなら、作品にユーモアと可能性を与えたい、という意図があって、引用を多用しましたけれども。


 みっつ目。ぼくは《私小説》と呼ばれるものをまったく読んでいませんし、メンバーにも熱烈なファンがいないので、肯定も否定もしません。できない、と言った方がいいかもしれません。何も知らずにそういう判断を下すのは、失礼だと思いますから。興味はあるけれど、それが最優先になることはこれまで一度もなかった、それより先に読みたい/触れたいものがあまりに多過ぎたし、それは今も変わりがない、という感じです。


 よっつ目……これはまったくと言っていいほどありません。書くのに悩むことは確かに多々あるけれど、楽しいことには変わりありませんし、むしろなあんでそんな後ろめたさなんて、ねえ、感じなきゃならんのだろ? という感じです。これはぼくだけでなく、他のメンバーもおそらくそうだと思います。その点でぼくらは無邪気というか、単純なのかもしれません。


 以上で質問に対する返答は終わりです。ぼくらのような、まだまだ駆け出しで、何についても暗中模索をしている最中の者どもの相手をしていただけること、あらためてうれしく思います。返事の方、とても楽しみに待っています。


 M@D AGE代表 幸田龍樹